0020/07/31

フィンランド通信 No.4 制限速度

前回があまりにも長かったので,今後,話題を小出しにします.
今回は,自動車の制限速度をとりあげます.

まず,フィンランドでは一般道路と高速道路の境目がはっきりしません.と言うのは,高速道路も無料で,料金所などは無いからです. 休憩のためのサービスエリアも,多くはインターチェンジ付近にあり,一般道にもつながっています.

高速道路の速度標識は,120km/h(冬は100km/h)ですが,120km/hで走っていても,ベンツ,BMW,ボルボ,VW等にどんどん抜かれます.

一般道の速度規制は,状況によって変わりますが,何も無いところでは100km/hです.郊外では交差点に信号は無く,加速車線付きの,日本だと小田原厚木道路のような感じです.交差点付近では,80→60と速度規制がかかり,そこでは自動のカメラがにらんでいるので,アクセルから足を離して,少し速度を抑え気味にします.

東のロシア国境に近い街Savonlinnaから,住居のあるEspooまで,一般道から高速道路を含めた約300kmの走行の間,信号待ちはゼロ.少し大きめの郊外の街でも,交差点はロータリーなので,止まらなくても通過できます. 休憩を除いた実質の運転時間の平均速度は一般道を含めても100km/hを超えます.

交通量が絶対的に少ないので,当然なんでしょうが,こちらはトヨタの小型車,どんどん追い抜いて行く欧州車は,高速走行の安定性が良いように見えます.足回りの味付けが根本的に違うんでしょうね.BMWは200km/hを超えると逆に安定感が高まるという話を聞いたこともあります.一度体験してみたくなりました.

こんなところで.
次回も,車ネタでいきましょう.

0020/07/27

フィンランド通信 No.3

さて、今回の話題は...
MR2さんからレスポンスをいただいので、自動車にしましょう。

先週末に、ヘルシンキから西へ180kmほど離れたNaantali方面へ小さな旅をしてきました。目的地は、ムーミンワールドと、その兄弟遊園地のアドベンチャーランドです。宿泊は、Naantaliから車で40分くらい離れたMussaloにある海岸に面したのキャンプ場。車が無いと、どうにも動けない計画だったので、レンタカーを借りて行ってきました。

まず、最初のハードルは、レンタカーの予約。こちらでは、全席シートベルトが義務なので、家族6人分の席が必要。そうなると、一般の5人乗コンパクトカーやセダンは使えないので、7〜8人乗のミニバスタイプをネットで検索。まず、値段にビックリ!1週間借りると最低1000ユーロから。

それでも勇気を出して、申し込みをしたところ、まだ照会中で24時間以内に返事が来るとのこと。平行して、メールでメジャーなHerts, ABIS, Budget,そして親しみ深いトヨタレンタカーに問い合わせをかけました。結果はメジャー系は全て車が出払っている、との返事。トヨタだけが、小さめのCorolla Versoなら確保できる、と回答が。

結果オーライ、1日60ユーロというリーズナブルな価格で、少し狭さを感じますが、5席+後に2席補助席の小型車を予約できました。日本ではスパシオに相当するようです。
http://www.toyota-europe.com/cars/new_cars/corolla_verso/gallery.aspx

車が確保できなければ、友人が予約してくれたキャンプ場もキャンセルして、旅をあきらめねばならなかったため、一安心...ではありましたが、実は内心、ほとんど経験のない右側通行&左ハンドルに高まる緊張感がじわじわと...

友人からは、こちらの車はマニュアルが多いよ、と言われていて、確かにご近所のベンツやBMWもマニュアルです。配車当日、ディーラーに行ってみると、10年ぶりの「マニュアル」! こちらに来てから、運転することを意識しつつ、バスに乗るときや友人の車に乗せてもらう時でも、前方の風景や信号、交差点の様子など、運転しているつもりで、意識していましたが、いざ道路に出るとなると緊張感は高まります。

お約束のエンストを2回、ガクガク車体を揺らしながら、ここで初めての信号待ち。ここの信号は、青になる直前に、赤と黄色が一瞬同時に点灯するんです。大回りで左折して、大通りを加速。走り出してみれば、中央分離帯や交差点の構造は感覚的に馴染みやすく、迷う事はまったくありませんでした。

左ハンドルの違和感を挙げると、右前の車両感覚がつかめない、右手をシフト、左手1本のステアリング、そしてルームミラーの位置、つい左上の窓の外をチラチラと見てしまうんですよね。あと、バックするときに左側から振り返るくせは抜けません。交差点では、お約束のワイパーが動き出します。妻曰く、「アクセルとブレーキも反対?」。

一番緊張したのが、ロータリー型の交差点、はじめての時、入りっ鼻にエンストをしてしまいました。そして、行き先の標識をみたら、あっ!過ぎちゃった!。でも、慌てずもう1周すれば、ちゃんと曲がれます。慣れると便利ですね。信号待ちも無いし。

そうこう、旅を終えて、だいぶ慣れました。近所のスーパーへ買い物へ行くのもお気軽に行けます。でも、こちらでは車の値段は高く、レンタカーを1年借りると200万円くらいとのことで、車の無い生活が基本です。ここヘルシンキ、近郊のエスポー、バンター市では、バス路線が網目のように整っており、決して本数は多くありませんが、車無しでも十分に生活できます。

しばしの異国での運転を楽しみました。
また、長くなってしまいました。
では、また。

0020/07/18

フィンランド通信 No.2

委員長です.
前回,突然に投稿しましたが,できるだけシリーズ化したいので,金曜日に発信するよう心がけてみたいと思います.
カテゴリ分けはできないようなので「ラベル」をつけます.
記事の一番下の「フィンランド通信」をクリックすると,同じラベルのものだけが表示されます.

さて,まずは,簡単な経緯から入りますが,7月上旬より正式に一年間の在外研究の機会をいただきました.2009年7月上旬までの一年間は原則,日本には帰りません.

今,私の居るところは,フィンランド国立技術研究所(VTT:フィンランド語の頭文字です)と言うところです.通産省傘下の国立研究所ですので,ちょうど日本の産総研に相当します.規模は職員数2500人,「エスポー市」(ヘルシンキの隣)が中心で,フィンランド各地に数百人から数十人規模の拠点があります.産総研とほぼ同じ規模,「つくば市」と地域センターという展開も似ています.

でも,考えてください,フィンランドの総人口は520万人,千葉県よりも少ないんです.なのに,日本の産総研と同じ規模の国立技術研究所があるんです.対人口比を考えると,超巨大な組織ですよね.

実は,今,7月は公的機関は皆,夏休みなんです.標準4週間,人によって分割したり,有給休暇を足してさらに伸ばしたりですが,要するに今,研究所には人が居ません.ほぼ同時期に,米国から大学教授が来ていて,彼と同室なのですが,彼と私以外,研究員はほとんど居ないんです.

同室の教授は,色々と仕事を持ち込んでいて,忙しくしており,夜遅くまで残業をしたいそうなのですが,セキュリティが厳しく,夜7時以降はロックアウト(出ることもできない)されてしまいます.夜9時以降は,アラームを解除しないと,警備員が飛んでくるようです.私も彼も非常勤職員なので,解除コードを持っておらず,彼は「こんなシステム見たことない」と,困り顔です.

私は,そこまで居残る必要はないので,そんな事実すら知らなかったのですが,お国柄を端的に反映している一例ですよね.基本残業はなし,オーバーワークをすると怒られます.どうしても仕事をしたければ,自宅でしろ,と言うことらしいです.

長くなりましたので,また次回に...

0020/07/07

ABTEC2008事前登録開始

本日より,ABTEC2008の事前参加登録が開始されました.
https://ssl.toptour.co.jp/conv/3901/abtec2008/

たくさんの方に参加していただけることを期待しております.
彦根でお待ちしております.

0020/07/02

アトランタにて

先週は,国際会議に出席するためアトランタに行っていました.なんと,委員長もその会議に出席されていてビックリしました.お元気そうで何よりでした.学会もさることながら,開催場所のジョージア工科大学はアメリカではめずらしく(!?),理論ばかりではなく実機での研究開発が盛んに行なわれていて驚かされました.また,機械系の建屋とはべつにマニュファクチャリングセンターの建屋があって,かなり力を入れているようです.高価な設備,大掛かりな設備など多数見られました.学部生用の実験室もあって,卓上旋盤や卓上フライス,モデリングマシンなどがズラリとならべられ,ちょうど夏休みでで製作課題をかかえた学生がうろうろしていました.我々も負けてはいられないなぁなんて思ってしまいました.
P.S.
ABTECの講演原稿締切が今週末7/4です.よろしくお願いいたします.